今では、さまざまな自治体で、市民サービスの向上のために、ワンストップ窓口を設けています。しかし、今一つ、評判がよくないのです。
見沼区の「パッケージ工房」は、そんなことに疑問をもった職員の皆さんが、実際に役所を訪れた市民がどんな動きをしているのか、そのどこに問題があるのかを観察したり、あるいはどこに不便を感じているのかのアンケート調査を行ったりして改善をはかった結果、生まれたものです。
活気的なのは、ワンストップといっても、結局市民がさまざまな課の窓口を訪れたり、何枚もの申請書を書かなくてはならない、ということが解決されていない、ということに気がつき、その改善に取り組んだ、という点です。
たとえば、春日部市に引っ越しして転入手続きをとる際には、転入届けのほか、住民票の受付や印鑑登録、国民健康保険に加入していたらその手続き、お子さんが小さい場合には子ども医療費の手続きなど、種々の手続きがいります。
それを、まず、再任用職員による「フロアマネージャー」の元を訪れて相談し、何と何の手続きが必要で、どんな証明がいるかを「オーダーシート」に記入し、そのオーダーシートを持ってパッケージ工房窓口に提出するだけです。
窓口で再度、必要な手続きがもれなく記入されの一覧表でチェックし、あとはさまざまな書類が作成されて出てくるのを待つだけです。
従来、各課毎で申請署や手続き書にそのたびに記入していた住所・氏名などは、オーダーシートを受け付けた職員がパソコンで入力するだけで、「申請署印刷システム」によって複数の書類に自動的に印刷されるシステムになっています。
証明書発行も可能なので、今まで一時間半はかかっていた転入の諸手続が30分ほどで済むようになったとのことです。
その後、書類がそろったところで窓口で受取り、自著や捺印が必要なものは書き込んだりし、チェック表を使って手続きの済んだものの確認をし、手続きができなかったものは、次にどんな書類をもってきてどのような手続きをするのかを記入したリストをもらって終わりです。
今まで市民が何枚も手書きし、あちこちの課を回っていた部分を、職員がやってくれるシステムです。
説明してくださった総務課の職員さんが「お客様」といっていたのが印象的でした。
いうまでもなく、このシステムを職員自身が考案したというのは、素晴らしいと思います。それはさいたま市として、職員が業務改善のための提案をできるシステムをつくった、という背景があり、それに応えた職員さんがいたという事実です。
また、システム開発にかかった費用はほとんどゼロ、とのこと。エクセルを活用してこのシステムを作ったというのも、目から鱗でした。
さらに、このパッケージ工房には、区民課の職員だけでなく、役所の各課から2名ずつ選任された、区民課兼務職員が概ね週一回ていど配属されているとのこと。
窓口、という住民サービスの根幹に関わる業務に携わることによって、区役所業務全般に通じたプロアクティブ職員を養成することにつながるとのことでした。
実際の業務を通じて、マンパワーの向上にもつながっていますし、さらに横断的な人的ネットワークがうまれる効果も大きいとのことでした。
はじめに、何と区長さん自らが挨拶にいらしてくださいました。見沼区の見所を紹介してくださいましたが、地域を愛し、区民のための役所でありたい、という思いが伝わってきました。
すぐにでも取り組めるこのシステム、以前政策課には情報提供していたのですが、どのように考えているのだろうと思いました。いずれ確認してみたいと思います。



