2016年05月16日

障害を持つ人が働くということ

 先週は、障害のある人の就労の問題を考える視察や講演会に参加する機会が続きました。

 11日の水曜日は、東武鉄道株式会社が障害を持つ人を雇用するために設立した特例子会社、(株)シンフォニア東武の北春日部事業所にお邪魔して、実際に働いている様子を見せていただきました。

 この会社の従業員は75名、うち、障害をもつ従業員は48名で、指導員は16名とのことです。パートナーと呼ぶ障害当事者は、時給が最低賃金の1年契約の有期契約社員となっています。「福祉的就労ではないので、働く≠ニいうことの意味をきちんと理解してもらうようにしています」とのこと。
 毎日、始業の前に行う朝礼では、
「私たちの仕事は職場を明るくすることです」
「私たちの仕事のやり方は、『あいさつ』『笑顔』『一生懸命の掃除・配達』で職場を明るくすることです」
 と全員で唱和していました。

 作業にあたっては、指示はできるかぎり具体的な言葉を使い、イラストや記号などで視覚的に理解できる工夫をしており、作業の内容をきちんと覚えるよう、自主的に練習する環境を整えています。

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 ベッドメイキングの担当者は、その日の予定表に示されたシーツ交換をする部屋の色を確認し、その色のシールの貼られたドアノブに、シーツ交換の札を下げていきます。

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 モップかけでは、モップを掛ける壁に貼られたシールに沿ってモップを動かし、次にモップに描かれたイラストのように、靴の脇に沿ってモップを引くことによって、N字にモップをかけていくことができる、といった具合です。

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 便器清掃の練習用の便器には、スポンジてこすっていく順序と方向が矢印で示され、掃除のし残しがないように作業できるようになっていました。

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 これらのこと細かな作業手順は、すべて写真によるマニュアル化がされていて、だれが指導しても同じ手順と動作で行えるようになっています。
 「迷わせない・困らせない・不安にさせない」という方針が、こんな一つ一つの細かな配慮で貫かれています。

 シーツ交換、毛布や布団のカバーの交換、ある作業は1人で、ある作業は声をかけ合って2人で、とてもきびきびと合理的に仕事が進んでいくのは、見ていてとても気持ちのよいものでした。清掃作業も同様です。
 
 福祉的就労ではなく、一般就労として障害のない人と遜色のない仕事をすることができる、という自信と誇りが育っていくのは、地域で暮らしていくための可能性を広げていくのだろうと思います。

 ただ、こうして働くためには、家族など、生活面の支援をする人たちが不可欠であること、契約社員という雇用形態では、なかなか自立して暮らしていくことは困難なことなどから、手帳を取得して年金や公的な支援を受けることができる人でなければなかなか難しいと感じました。
 障害をもつ人の自立のためには、就労と生活支援と経済的な支援、セットで施策と整えていく必要性を痛感します。

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 14日(土)は、越谷青年会議所の月例会での講演とパネルディスカッション、「障害者就労と地域おこし〜農・福〈福祉)・商の連携による新たな社会システムを創る〜」に参加しました。
 県立大学教授の朝日雅也先生の基調講演では、障害者の就労形態が多様になってきていること、障害者雇用は着実に伸びていることが示されましたが、一方で、その収入があまりにも低い現状も述べられました。
 障害者雇用促進に関する法律が整っても、経済活動と福祉支援の廉価医は、まだまだ壁があるのが現実で、それを可能にするのは、当日発表のあった社団法人と株式会社とが連携している新たな組織や、越谷青年会議所のような地元の決して大きくない事業所の、農業も含む地域資源を視野に入れた新たな取組かも知れないと思います。

 さまざまな場で様々な人たちが障害を持つ人が働くことを考え、自分のできることから一歩ずつ取り組んでいくことから開ける地平があるのでしょうか。




 

 
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2016年04月06日

一刻も早く、原発事故を責任を裁判の場で明らかに

 昨日は、福島原発告訴団、福島原発刑事訴訟支援団、福島原発告訴団弁護団の3団体は、東京地方裁判所に対して、強制起訴された東京電力旧経営幹部3人の刑事裁判に関し、直ちに公判を開くよう申入れを行いました。

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 申し入れ後、東京地裁前に激励に訪れた約150人に報告する、武藤類子団長です。背後には、満開の桜。

 地裁で不起訴となったこの裁判、原告側が検察審査会へ申し立てを行った結果、審査会は「起訴相当」と議決し、即座に検察側が不起訴としたものの、再度の検察審査会への申し立てで起訴議決が出されました。それを受けて審査にあたっていた、検察役の指定弁護士は、2月29日付で東京地裁に強制起訴の判断を行い、3人の被告人について公判請求いたしました。
 しかし、公判はなかなか開かれそうにもありません。そこで、3団体の代表が東京地方裁判所に第1回の公判期日を早急に定めることを求めました。
 昨日の地裁前で、弁護団の海渡雄一弁護士は、「指定弁護士は保管する証拠4000点の一覧表を開示し、弁護人からの請求があり次第、原則としてすべて開示する旨、地裁に伝えている。これによって裁判まで時間がかかる公判前整理手続きを経ることなく、第1回公判を開くことができる」と語り、この裁判は、新しい裁判、未来につなぐことのできる裁判になる、と力強くアピール。
 
 海渡弁護士が語った、「川内原発の差し止め訴訟で原告の訴えが通ったら、明日はまた、日本で原発が一基も動かない日になる」という望みは、本日の原告を申し立てが退けられた、という結果によって断たれましたが、今なお大変な状況にある福島の人たちがこれ以上理不尽な目に遭わないためにも、また再稼働をどんどん進めようとする動きにブレーキをかけるためにも、きちんと責任を追及する過程を裁判の場で明らかにしなければならないと思います。
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2016年03月12日

二度と自分たちのような思いをする人を出したくない、と行動する福島の方々と、これからも思いを一つにして

 大震災と原発事故から5年目の昨日は、国際環境NGO「FoE Japan」主催の「3.11シンポジウム 福島を忘れない」に参加しました。

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 会場となった参議院議員会館の講堂にh、椅子を出しても出しても座りきれないほどの参加者が、最終的には400人ほどの方が参加されたとのことです。

 基調講演の皮切りは、飯舘村で酪農を営まれていた長谷川健一さんのお話でした。
 事故直後、スピーディーのデータが分かっていたにも関わらず、村当局には伝わらず、避難指示が出ないまま、初期の段階で無用な被曝を受けてしまった怒り。

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 そして除染が進むにつれて生み出されるおびただしい汚染物質の詰まった袋が、手塩にかけて耕作してきた田んぼに「中間貯蔵施設ができるまで」として積まれていく現状。仮仮置き場とされながら、一向に中間貯蔵施設は整備されず、「飯舘村はまた裏切られた」という思い。
 その除染も、瓦屋根を一枚一枚ペーパータオルで拭く、ビニールハウスを同じくペーパータオルで拭く、というなど首を傾げるような作業で、敷地内は除染が行われても、周囲の山林は行わないという状況の中で、未だに高い放射線量にも関わらず、避難解除されようとしていることに対する怒り。
 何兆円ともされる復興予算は、一体どこに、何のために使われているのでしょう。

 もう一方の福島から転々と避難を続け、今は京都府で避難生活を送っている宇野朗子さんは、原発事故後に「原発事故子ども被災者支援法」が超党派で成立したにも関わらず、従来の災害救助法に従って、来年の3月で避難している住宅の家賃補助が打ち切られることの理不尽を訴えました。
 事故が起きたのは一体誰の責任なのか、決して避難している人たちの責任ではないにも関わらず、故郷を奪われ、精神的にも苦しい生活を余儀なくなれている避難者に思いを致す政治が、なぜおこなわれないのでしょう。

 その後も、子どもたちの健康被害に関してとられているチェルノブイリと日本の対策の違いなど、考えさせられる講演が続きました。

 「二度と自分たちと同じ思いをする人を出さないでほしいからー」と発言を続け、裁判で訴える被災者の方々と、これからも連携していかなければ、と思いを強くしました。

 この現状を正視せずに再稼働を決定している政府に抗議したくて、集会後の国会周辺で行われた脱原発行動では、官邸前に参加しました。
 なのに、阿倍首相は、昨日の追悼式典では「教訓を風化させない」と語ったとのこと。つまりは、首相にとって福島第一原発事故は、教訓にはなっていないということなのでしょうか。
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2016年03月05日

25年たったフリースクール

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 昨年、25周年を迎えたフリースクール「りんごの木」の記念誌が届きました。

 25年たったんですね。
 私と「りんごの木」の関わりは、フリースクールになる前の、不登校の子たちのたまり場が、長男のお世話になっていた塾にできたことでした。
 以来、不登校ではなかったけれど、いろいろ悩みも尽きない4人の子どもたちが塾にお世話になっている間に、りんごの木のスタッフの皆さんとの関わりができ、子育てや教育問題に対する心のより所になったきたのが、この「りんごの木」です。

 記念誌には、スクール生の日常や楽しい行事のあれこれ、そして巣立っていった子どもたち(もう青年ですね)の姿が、スクール生やOB・OGの手によってまとめられています。
 @自分のことは自分で決める、Aみんなのことはみんなで決める、Bみんなで決めたことはみんなで守る。
 この3つが「りんごの木」のルールです。
 これは、子育てだけでなく、今の社会に必要な、すべての人たちのルールでもあるとの思いが、ざわついている今日の社会現象をみているとわきあがってきます。

 ご覧になりたい方は、ご一報ください。


 
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2016年02月23日

微生物の力でごみを資源に!

 微生物の力で、生ごみをたった24時間で堆肥(正確には土壌改良剤)にする、しかも汚水も悪臭も発生しない、土壌改良剤になるのは投入した生ごみの10%なので90%も減容できる、という、夢のような生ごみ減容化処理システムを見学してきました。
 春日部のお隣、久喜宮代衛生組合の取組です。

 久喜宮代衛生組合では、焼却施設の老朽化に伴い、新設炉建設、最終処分場建設が計画された平成4年以降、住民の同意が得られず検討が重ねられてきたとのこと。
 その中で、できるだけ焼却ごみを減らすことを条件とする提案が出されました。
 そこで、平成15年から生ごみ堆肥化の実証実験が取り組まれたのですが、最初に実験したシステムでは経済性の観点から無理があることが分かり、平成20年度から、今回視察したHDM処理方式の実験に切りかえたとのことです。
 
 結果は想像以上に素晴らしく、前述のような処理が可能になったのです。

 以下は、久喜宮代衛生組合による処理方法の説明です(ホームページから)。


 平成21年4月から、モデル地区から回収された生ごみの処理方式として新たに「HDMシステム」による生ごみ減容化システムを導入し、現在、1日におよそ4トンの台所資源(生ごみ)の処理を行っています。

HDMシステムとは?】

 HDMシステムとは、微生物を利用した生ごみの減容化処理システムです。
(HDM=High Decreasing Microbe-bionicの略。「微生物による高度減容化」の意。)
 放線菌、糸状菌、油分解菌、リグニン分解菌などの有機物を効率よく分解する微生物を多く含む木片チップ(これを菌床といいます。)を用意し、そこに生ごみをよく混ぜ込むと、微生物の作用によって発酵分解が進みます。
 また、投入された生ごみは短期間のうちに約90%以上が分解されます。
 そして、発酵が終わった菌床をふるいにかけると、良質のコンポストを得ることができます。

・HDMシステムの特徴
設備が単純で、故障などが起きにくいこと
日常的な運転管理が簡単で、費用が安価であること
微生物の作用により、悪臭の発生がほとんどないこと
水分が蒸発しやすいため、汚水の発生がほとんどないこと


 引用ここまで。

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 施設は、生ごみとHDMを混ぜるヤード。

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 ごみ袋に入った生ごみから袋を送風で分離して生ごみだけをヤードに送る分離機。

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 24時間空気を送る送風パイプ。

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 生ごみと菌床を攪拌するパワーショベル。

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 材料は12種の菌が混合されたHDM。

 たったこれだけです。

 それでも、協力家庭から生ごみだけを収集する費用もかかり、焼却処理費用が1トン当たり3万円に対して、5万円かかるとのこと。
 しかし、処分場の問題などもあり、焼却による排気ガスなどを考えるとともに、環境に優しい資源循環型社会を目指すという観点から、大きい意味でのメリットははかり知れないと思いました。

 HDMによる処理方法をさらに詳しく知りたい方は、以下のサイトをご覧ください。

http://gomizero.net/sisetu/sisetu_hdm.html
posted by ふくろう at 16:19| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月28日

なぜ、原子力発電のみが、製造者責任を追わな負わなくてすむのでしょう

 昨日は、原発メーカー訴訟の第3回口頭弁論が行われました。

 福島第一原発事故という発生以来5年近くになる今なお、事故の収束の目処もたっておらず、18万を超える人々が故郷を奪われ避難生活を続けているという苛酷事故です。
 第3回目の今回は、そのような事故であるにもかかわらず、原発を製造したメーカーがなんら責任を負わなくて済むということの裏付けとなっている、「原子力損害の賠償に関する法律」の種々の問題点について、原告代理人がパワーポイントによるかみ砕いた説明による意見陳述が行われました。

 たとえばタクシーが事故を起こしたとき、その原因が車の欠陥によるものであったときは、メーカーが前面的に過失を問われ、責任を負います。それなのに、なぜ、原発だけはメーカー責任を問われないのか。
 国策によって進められてきた原子力産業の大きな問題点が、ここにもあります。

 内容について関心のある方は、以下の動画をご覧ください。
 http://nonukesrights.holy.jp/pdf/third_brief_20160127.pdf

 それにしても、被告のうちのGEジャパンの代理人が、またもや「このような法律論争はこの訴訟では無効である」というような意味の発言をし、もう論点は出尽くしているので結審を、と主張したのには驚きました(毎回のことなのですが)。少なくとも、あのような事故が起こった以上、製造者として原子炉そのものに問題はなかったのか、という観点から検証することは不可欠だと思います。
 今回の裁判で原告が主張している「No Nukes権」(核の脅威にさらされることのない、安全で安心に生きる権利)について、「そんな人権は聞いたことがない」などと一刀両断に切り捨てる姿勢こそが、問われているのではないでしょうか。

 裁判長がやんわりと、「すでに次回の弁論期日を決めたあとでそのような主張をすることはできません」と諭してくれたのが救いでした。
 
posted by ふくろう at 18:57| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月01日

新しい年を迎えて

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 ご近所の林の間から、初日の出が上っていきます。
 
 あけましておめでとうございます。
 戦後70年の昨年は、これから戦後71年、72年という年輪を刻んでいくことが危うくなるかも知れない、との思いを抱いた年となりました。
 それと共に、さまざまな世間の暗闇もじわじわと広がっているような不気味さも感じています。

 新しい年を迎え、自分のしなければならないことをおろそかにせず、木々の葉の間から差し込む日の光のように、歩いた先には希望が見えるようにしたいと改めて言い聞かせています。

 皆様にも良い1年となりますよう。
posted by ふくろう at 21:46| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月24日

危うし! パソコン

 ここ1週間ばかり、チラシづくりに没頭していました。
 もうチラシづくりはしない、と心に決めていたのに、1つは自分が言い出しっぺの上映会のチラシなので、やるしかありません。もう1つは、関わりの中で自分ができることはチラシづくりくらい、という事情があり。

 上映会のチラシです。
 ずっと取組みたいと思っていた、河合弘之弁護士が自ら監督としてまとめた「日本と原発」です。今回、埼玉でリレー上映、という形で、上映のハードルを低くして下さった方々のおかげで、越谷と春日部で上映できることになりました。
 関心のある方、是非、ご参加ください。
 画像はjpgでないとアップできないため、不鮮明です。もっとはっきりしたチラシを、という方はご連絡いただければ、PDFのものをお送りします。

 日本と原発1.jpg

日本と原発2.jpg

 ところで−。
 久しぶりのチラシづくりは四苦八苦。仕事をやめてから、パソコンの一切はバージョンアップしない、と決めていたので、illustoratorもPhotoshopもなんとなくスムーズに使えないのです。
 もう10年近く酷使してきたマックのデスクトップ型のパソコンももう限界に近いため、いざというときのためにノートブックを求めたのですが、どうしても使い慣れたパソコンの方が使い勝手がよく、ノートも買ったときのまま。これからこのノートを使いこなすために、アプリケーションを入れたりネット環境を整えたりしなくてはいけないのですが、自力ではとてもとても。
 パソコンのお助け、はウインドウズが主流なので、秋葉原までいくのも億劫なのです。どなたかマックブックに詳しいかた、お力を貸していただけないでしょうか。
posted by ふくろう at 19:07| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

安保法制は違憲! という思いを表明するために訴訟に参加しませんか

 12月20日は、「九条こわす安保法制・違憲訴訟埼玉準備会」に参加しました。会場には100人を超える方の参加があり、同じ思いの方が多くいらっしゃることを心強く思いました。
 国が進めることに異議申し立てする裁判をしても、勝てるわけがない、という冷めたご意見も聞こえます。しかし、この法律が制定される過程で目にした政府の強引な進め方によって、憲法九条の理念が危うくなっている今、日本の立憲主義や議会制民主主義を守るために、多くの人が異議申し立てをしているという事実を可視化し、裁判所に自らの責務を喚起することが求められています。

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 基調講演をしてくださった、弁護士の内田雅敏氏も、「答えが出てくるまでつくり出さないといけない」とおっしゃっていました。「この裁判は難しい。しかし、裁判官に想像力を働かさせる裁判をやらなくてはならない」とおっしゃいました。
 そして、「負けたらマイナスかもしれない。しかし、この機会を逃せば違憲訴訟を起こすことが今後出来なくなる。」と述べ、違憲訴訟の必要性を訴えられました。
 そして先日あった「夫婦は同じ姓を名乗る」とする民法の規定が憲法違反かどうかが争われた訴訟で最高裁判決文に「夫婦同姓が定着している」とあったことを紹介し、安保法制についても「声を上げなければ定着≠オたことになってしまう、と述べられました。
 負けることを恐れるあまり、黙ってこの法律を施行させ、戦争する国へと突き進むことを許すことは、何もせずに負けるということです。
 自分は憲法違反のこの法律の施行を許さない、廃案にすべきと思っている、という声をあげなければ、と思っています。
 埼玉準備会では2月末に全国各地の動きと手を携えて提訴するために、一万人の賛同者を募るとのことです。
詳しくは、準備会のface book
https://www.facebook.com/ikensosho.saitama/timeline
をごらんください。
posted by ふくろう at 18:30| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月13日

高齢者、障害者、生活困窮者ー孤立や分断を超えて共に生きていくために求められていること

 本日は、NPO法人障害者の職場参加をすすめる会が主催する「共に働くまちをつくるつどい2015」に参加しました。
 今年のテーマは「高齢者、障害者、困窮者…孤立・分断こえー共に生きる地域と障害者の職場参加」というものでした。

 まず、千葉中核生活支援センター長生ひなたの所長である渋沢茂さんからの特別報告がありました。

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 千葉県独自の事業である、中核地域生活支援センターというのは、何と、平成16年に策定された「千葉県地域福祉支援計画」に基づいて、こども、障害者、高齢者を含めたすべての地域住民を対象とした地域生活支援の民間拠点として設けられたもので、24時間、365日体制で、地域生活支援事業、相談事業、権利擁護事業といった事業を行うとともに、地域総合コーディネートの機能を担っているとのことです。
 もう10年近く前にこのような具体的な支援事業を盛り込んだ支援計画を策定したのも驚きなら、この計画策定にあたっては、計画の内容が白紙の段階から、民間の団体の意見を聞くことからスタートし、ある程度の素案がまとまってからは、きめ細かいタウンミーティングなどでさらに意見を聞き、取り入れていくという手法で制度化されたとのこと。
 そのスローガンが『誰もが、ありのままにその人らしく、地域で暮らすことができる』というもので、そういった地域社会の実現を理念としているとのことです。
 このセンターは、政令指定都市と中核市を除く県内の保健所の管轄地域ごとに1カ所設置されているとのことです。ただし柏市は中核市ですが、中核市に移行する際、市の単独事業として事業を継承しているとのこと。
 地域の総合コーディネートに当たるに際して、行政などの公的機関や福祉サービス提供事業者、当事者グループ、その他の福祉資源などと住民のニーズを有効につなげていくことのみならず、必要とされるサービスの提供ができるように、新たなサービスや福祉資源の開発などの活動を行う必要があるようです。その中で、隠れた地域の福祉力、住民の福祉力の掘り起こしに努めることもポイントになっているようです。

・どんな要望も断らないでまずは動く。
・地域の関係者との関係性を重視する。
・迷ったときは必ず弱い人の立場に立つ。
・当事者にとっての利益を考える。
 などの活動の際心がけているポイントを伺っていると、これこそがまさに地域福祉、と肯くばかりでした。

 そのほか、パネルディスカッションのパネラーの皆さんの活動も、基本はやっぱり地域の人たちとの関係性であり、住んでいる人々の力で皆で支え合う地域をいかにつくっていくかが課題であるということを示唆する内容でした。

 「職場参加をすすめる」ということを目的にしているNPO法人ではありますけれど、公的な就労支援のように一般就労に結びつけることだけではなく、こうした地域の中で共に働き生きていく、ということによって、制度によって分断されない新しい地域包括支援体制について、先進的な千葉の取組などをお手本にしながら求めていきたいものです。


posted by ふくろう at 18:47| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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