「地域から誰も排除しない」、「コミュニティメンバーなど、関与する全ての人が参加する」、「異なる立場のそれぞれを尊重する」、「包括的で協力的な手続きをとる」という哲学に基づくこの対話、埼玉県立大学の梅崎梵謳カは、「高齢者虐待を未然に防ぐRJ実践研究会」として活動していますが、今回は「地域から誰も排除しない」という観点から、「司法における修復的対話」の基礎を上智大学の伊藤藤江先生から、「アルコール問題を持つ人と家族の理解」について、WITH医療福祉実践研究所代表の佐原まち子先生から、「精神障害・発達障害・精神疾患をもつ人の理解」について、県立大学の佐藤晋爾先生から、それぞれご講義いただきました。
加えて、葛藤解決のためのサークルや、トーキングサークルなどの演習と盛りだくさんで、濃い内容の2日間となりました。
アルコール問題について講義してくださっている佐原先生です。
アルコール関連問題についてのたくさんの気付きを得ましたが、冒頭、
・禁酒となっているイスラム圏
・国が製造・販売をコントロールしている北欧・ロシアなど
・社会規制を含む総合的な予防対策をとっている多くの先進諸国
に対して日本は、経済優先で飲酒を進めている国である、という指摘は目からウロコでした。確かに、テレビコマーシャルでは、これでもか、というほどお酒をおいしそうに飲むタレントさんの姿が流れています。
嗜好品、飲むのも飲まないのも本人の選択、と思っていますが、どこか違うのではないかと考えさせられました。
精神障害を理解するための佐藤先生のお話しも、日ごろから関わりのある、精神的な病・障害を抱えている人たちのことを思い浮かべながら、納得のいくお話でした。
そして、さまざまな方々と実習した、とくにトーキングサークルでは、お互いを尊重しながら対話をすることで拡がる共感の輪を何度も感じ、これからの活動に生かしていけたらと思いました。