2016年01月28日

なぜ、原子力発電のみが、製造者責任を追わな負わなくてすむのでしょう

 昨日は、原発メーカー訴訟の第3回口頭弁論が行われました。

 福島第一原発事故という発生以来5年近くになる今なお、事故の収束の目処もたっておらず、18万を超える人々が故郷を奪われ避難生活を続けているという苛酷事故です。
 第3回目の今回は、そのような事故であるにもかかわらず、原発を製造したメーカーがなんら責任を負わなくて済むということの裏付けとなっている、「原子力損害の賠償に関する法律」の種々の問題点について、原告代理人がパワーポイントによるかみ砕いた説明による意見陳述が行われました。

 たとえばタクシーが事故を起こしたとき、その原因が車の欠陥によるものであったときは、メーカーが前面的に過失を問われ、責任を負います。それなのに、なぜ、原発だけはメーカー責任を問われないのか。
 国策によって進められてきた原子力産業の大きな問題点が、ここにもあります。

 内容について関心のある方は、以下の動画をご覧ください。
 http://nonukesrights.holy.jp/pdf/third_brief_20160127.pdf

 それにしても、被告のうちのGEジャパンの代理人が、またもや「このような法律論争はこの訴訟では無効である」というような意味の発言をし、もう論点は出尽くしているので結審を、と主張したのには驚きました(毎回のことなのですが)。少なくとも、あのような事故が起こった以上、製造者として原子炉そのものに問題はなかったのか、という観点から検証することは不可欠だと思います。
 今回の裁判で原告が主張している「No Nukes権」(核の脅威にさらされることのない、安全で安心に生きる権利)について、「そんな人権は聞いたことがない」などと一刀両断に切り捨てる姿勢こそが、問われているのではないでしょうか。

 裁判長がやんわりと、「すでに次回の弁論期日を決めたあとでそのような主張をすることはできません」と諭してくれたのが救いでした。
 
posted by ふくろう at 18:57| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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