春日部のお隣、久喜宮代衛生組合の取組です。
久喜宮代衛生組合では、焼却施設の老朽化に伴い、新設炉建設、最終処分場建設が計画された平成4年以降、住民の同意が得られず検討が重ねられてきたとのこと。
その中で、できるだけ焼却ごみを減らすことを条件とする提案が出されました。
そこで、平成15年から生ごみ堆肥化の実証実験が取り組まれたのですが、最初に実験したシステムでは経済性の観点から無理があることが分かり、平成20年度から、今回視察したHDM処理方式の実験に切りかえたとのことです。
結果は想像以上に素晴らしく、前述のような処理が可能になったのです。
以下は、久喜宮代衛生組合による処理方法の説明です(ホームページから)。
平成21年4月から、モデル地区から回収された生ごみの処理方式として新たに「HDMシステム」による生ごみ減容化システムを導入し、現在、1日におよそ4トンの台所資源(生ごみ)の処理を行っています。
【HDMシステムとは?】
HDMシステムとは、微生物を利用した生ごみの減容化処理システムです。
(HDM=High Decreasing Microbe-bionicの略。「微生物による高度減容化」の意。)
放線菌、糸状菌、油分解菌、リグニン分解菌などの有機物を効率よく分解する微生物を多く含む木片チップ(これを菌床といいます。)を用意し、そこに生ごみをよく混ぜ込むと、微生物の作用によって発酵分解が進みます。
また、投入された生ごみは短期間のうちに約90%以上が分解されます。
そして、発酵が終わった菌床をふるいにかけると、良質のコンポストを得ることができます。
・HDMシステムの特徴
設備が単純で、故障などが起きにくいこと
日常的な運転管理が簡単で、費用が安価であること
微生物の作用により、悪臭の発生がほとんどないこと
水分が蒸発しやすいため、汚水の発生がほとんどないこと
引用ここまで。
施設は、生ごみとHDMを混ぜるヤード。
ごみ袋に入った生ごみから袋を送風で分離して生ごみだけをヤードに送る分離機。
24時間空気を送る送風パイプ。
生ごみと菌床を攪拌するパワーショベル。
材料は12種の菌が混合されたHDM。
たったこれだけです。
それでも、協力家庭から生ごみだけを収集する費用もかかり、焼却処理費用が1トン当たり3万円に対して、5万円かかるとのこと。
しかし、処分場の問題などもあり、焼却による排気ガスなどを考えるとともに、環境に優しい資源循環型社会を目指すという観点から、大きい意味でのメリットははかり知れないと思いました。
HDMによる処理方法をさらに詳しく知りたい方は、以下のサイトをご覧ください。
http://gomizero.net/sisetu/sisetu_hdm.html