2004年から6年かかった裁判、裁判長のていねいな進め方に、ほんの少しの期待がありましたが、やはり敗訴、です。
これで、1都5県で行われた住民訴訟のうち、1都4県で、住民敗訴の判決が出されました。
悔しさのにじむ表情の、原告団の皆さんです。
おりしも、本日の朝日新聞の朝刊では、「ダム頼みの治水見直し」の見出しが躍りました。国土交通省の有識者会議の提言です。
しかし、今後、有識者会議のあげた25にものぼる新たな治水対策の検討がどうなるのか、先行きにはかなり不安な者もあります。
それについては「八ッ場あしたの会」のWebの以下のページに提言が掲載されています。
http://yamba-net.org/modules/page/index.php?content_id=3
今日、裁判長は、判決を言い渡したあと、判決に至った経緯をていねいに読み上げました。
その中で、「原告の八ッ場ダムの利水効果、治水効果に対する考えは1つの評価としてはあり得るとしても、ただちに不合理とまでいうことはできない」と述べていました。
それ故、県の負担金の支出については、「著しく適正を欠いていて、予算執行に対して著しく瑕疵があるとは言えない」と−。
著しく瑕疵があるとは言えないから、原告敗訴。なんともやりきれない思いで、裁判長の言葉を聞いていました。所詮裁判、相反する評価のある事業に対して、では一体、誰がどちらの評価を認め、事業の適不適を判断するのか、これはひとえに政治判断ということになるのでしょうか。
しかし、これで幕引きではありません。
本体工事中止が打ち出されたあと、生活再建案が提示されないまま、不安に過ごす地元の人たちの思いを受け止めながら、まだまだ取り組んでいかなければならない課題です。



