市長が提出した議案は、全議案、全会一致で、スムーズに終わったのですが、その後、市民の皆さんからいただいた請願で賛否が分かれました。
☆生活保護基準の引き下げをしないこと、年金2.5%の削減中止を求める、のふたつの請願に賛成しませんでした
この2本とも、当事者の皆さんの声はよく分かります。しかし、いささか判断のむずかしい請願文書でした。
今、社会全体の中で大きな問題となっている、いわゆる貧困層とされる方々の暮らしを支えるために、どのような社会保障が求められているのか、国民的な議論が必要なときです。
国の政策と基礎自治体、そして地域社会のありかたをどうしていくのか、未だ本格的な議論が起こっていないとも言えます。
単にこんなに大変になるのだから引き下げるな、という請願に賛成するのはためらわれました。
アスベスト問題の早期解決を求める意見書を国に提出するよう求める請願も、アスベスト被害が現在進行形であることは、建設業界の下請け構造や作業現場の不適切な対処が原因となっていることが多いと思われ、後段の救済法が不適切ということと結びつかず、どのように抜本改正を国に求めていくのかの趣旨が分からなかったため、やはり賛成できませんでした。
革新系とレッテルを貼られている私が賛成しないと、波風が立つのですが−。
☆春日部市議会の議場に「国旗」、「市旗」を掲揚することを求める請願は賛成多数で採択
さて、これについては共産党の議員からの反対討論がありました。
いわゆる「国旗・国歌法」が成立した折り、当時の小渕首相が国会審議の中で繰り返し述べていたのは
「内心にまで立ち入って強制しようとする趣旨のものではない」という答弁。
憲法の「思想信条の自由」と照らし合わせても、強制することができない、というのが当然の解釈です。
議場というのは、さまざまな市民の代表である議員が議論する場であり、また市民の皆さんが傍聴にも足を運ばれる場、そこに議論の分かれる「国旗」を掲揚するのはおかしいと思い、反対しました。
反対は、共産党の6人の議員と私の7人のみ、社民党の議員は退席して賛否に加わりませんでした。
次の議会から,議場に「国旗」「市旗」が掲揚されることになります。
☆突然の副市長の交代人事
市長にしてみると、本来は3月で交代するはずが、諸般の事情で今議会になってしまった、ということらしいのです。
しかし、突然、議会に伝えられたのが、午前中の日程が終わった各派代表者会議のときのこと。それで議運を開いて日程追加し、午後、議会を再開したのちすぐに、質疑をして同意するか否かを裁決する、というのはちょっと問題ありです。
確かに人事は市長の専権事項であり、口出しはできませんが、同意か否かは議会に諮ること。それであれば、後に何かあったとき、同意した議会も責任を問われるということになります。
従来の副市長人事についても、確かに追加議案の提出は最終日当日ではありましたが、その旨を伝える各派代表者会議は、数日前、もしくは遅くても前日にありました。
だからこそ、今までは、国土交通省から派遣される副市長については、国会議員を通して調査してもらい、参考にしてきた経緯があります。
そこで、せめて、市長の追加議案は25日に開催が予定されている臨時議会で行うべきではないか、と提案しました。
「臨時議会が開かれるかどうかは、21日の議運を待たなければならないので、日程的にむずかしい」
とのことでしたが、「それならば、市長が人事案件を審議するために臨時議会を招集すればよいのではないか」と改めて主張しました。
こういうことが前例になってしまうのは問題、と思ったからです。
結局、日程に追加するかどうかを決める議会運営委員会の場で委員間の意見交換を行い、市長の追加議案の日程追加を認める委員が多数となって、人事案件は上程されました。
せめて,手順だけはきちんと踏んで議会審議を行いたいものです。
新しい副市長も国土交通省から派遣されることになります。都市計画畑に精通し、JR西日本で現場の経験もあり、また、愛知県東海市の副市長時代に連続立体高架事業にも関わっていたことから、春日部市の最大の課題である、春日部駅周辺立体交差事業の進捗に力を発揮していただけるであろうというのが市長の推薦理由でした。



