それから、今疑問の声が起こっているのは、これだけ予防効果が今のところ限定的なワクチンであるということ、しかも重大な副反応がこれだけ起こっているということ、さらに子宮頸がんというのは、飛沫感染や単なる手と手を接触するという接触感染ではなしに、ほとんど性交渉による感染である、接触感染であると、極めて感染ルートが限定的な病気であるということから、公衆衛生上の予防という意味は薄い予防接種になるわけです。
あくまでも個人の健康を守るという観点の予防接種になるということで、予防接種法もその点について、子宮頸がんワクチンを加えるに当たって手を加えています。
今までは公衆衛生上の感染を防ぐということが第一義であったのが、子宮頸がんワクチンを1類に分類するに当たって、接種法を改正して入れていますけれども、だとすれば、なぜ悉皆で、対象となるローティーンの少女たちにー厚労省の試算によると、今年度の予算522億円と言われていますけれどもー522億円の財源を割いて接種するのだろうかという疑問の声が上がっているのです。
しかも、子宮頸がんというのは、厚労省は、今のワクチンは16型と18型の感染による子宮頸がんの予防効果があると言われているということで、他のウイルスに感染したことによる子宮頸がんは予防できない、日本人の場合、16型、18型による発症リスク、50%ぐらいと言われていますから、残りの半数は予防できないということから、20歳を過ぎたら子宮頸がんの予防、検診を定期的に受けるようにということ、これはワクチン接種が始まった段階から明記されています。
だとしたら、予防のほうに、予防という意味であれば、ワクチンの悉皆の接種ではなく、検診の充実強化に努めるべきではないかという声が上がっているのです。
お伺いいたします。
国としても、検診の受診率を高めるために、5歳刻みのいわゆる節目の受診クーポン、無料クーポンを発行する事業が進められてきていますけれども、この無料クーポンの発行によって春日部市の子宮頸がんの受診率は上がっているでしょうか。
☆健康保健部長の答弁
子宮頸がん検診受診率の向上のための対策として実施しています、5年刻みに行っております検診料を無料にする施策の効果についてですけれども、本市では、子宮頸がん検診を20歳以上の女性を対象に医療機関での個別検診として実施しています。
平成21年度からは、国の補助事業として、20歳から40歳の5歳刻みの女性を対象として検診の無料クーポン券を送付し、受診勧奨を行う事業を実施しております。
無料クーポン券対象者の検診受診率につきましては、平成21年度20.9%、22年度は24.9%、23年度は22.0%となっておりまして、子宮頸がん検診全体の受診率、平成21年度10.2%、22年度10.3%、23年度8.9%と比較していずれも数値は高くなっているということで、クーポン事業による効果はあらわれていると思っております。
ただ、20歳代、30歳代という捉え方は、ちょっと今データの比較はしてございませんので、ご了承ください。
☆質問
無料クーポンの事業によって検診率は確実に上がっていると、これはとても喜ばしいことだと思いますが、まだまだ国が目標としている50%というところからは遠いという思いがします。
それから、20代、30代、年齢で刻んだ検診率は把握していないということですが、やっぱり若い女性の受診率をいかに高めていくか、もちろん年をとってからのがんというのも、それは予防しなければいけませんが、20歳代から30代前半でもあれですけれども、若い方々の子宮頸がんというのは、早期に発見して治療を受けることによって、子宮もそのまま残すことができて、軽度のうちに治癒できるというふうに言われています。
若い世代の女性が子宮頸がんの検診に行くのはとてもハードルが高いと思うのです。
年配の方でもハードルは高い、病気でもないのにわざわざ婦人科に検診に行くのは非常にハードルが高いというふうに思います。
先ほど申し上げましたように、522億円かけて悉皆でワクチン接種するのであれば、検診のほうをもっと充実強化するように対策を立ててほしいというのは、毎年無料にせよということだけではありませんけれども、例えば検診の効果を高めるために細胞診プラスHPVのDNA検査を行うという、この二重の検査が確度を高めるというふうに言われていますので、本来であれば国のほうがHPVのDNA検査まで助成できるようしていただくのが望ましいというふうに思うのですが、ワクチンのほうをそっちに振り向けてほしいという思いもするのですが、それは市が決めることではありませんので、国のほうにぜひ要望していっていただきたいというのが1点です。
もう一点ですけれども、若い女性の方々が検診に行きやすくするように、せめて検診については女性医師が担当する検診外来、施設、これは春日部市には一施設もないというふうに思います。
お隣の女性医師による検診外来があるところなんかは、結構、検診の受診者、若い方が目立っていますので、ぜひ春日部市としても女性医師による検診施設を設けていただきたいというふうに思いますが、その点いかがでしょう。
☆健康保健部長の答弁
検診を受診する際の心理的なハードルを低くするために、女性医師による検診施設を設けるべきではないかということですが、子宮頸がんを初め子宮がん検診は、受診者の心理的な負担が大きい検診であるということは認識をしているところです。
検診は、春日部市医師会の協力をいただき、個別の医療機関で実施をしているところですが、現在検診を実施している医療機関には女性医師が勤務されていないと伺っております。
女性医師の検診施設を設けることは現状では難しいと考えておりますが、今後の課題と捉えまして、春日部市医師会と意見交換をしていきたいと考えております。
☆要望
ハードルが高いというのは、お医者さんの関係があるので、非常によくわかります。
ただ、県のほうでは、今医師の人材バンクを結構充実させるという方向になっていますよね。
ぜひその中で県のほうに要望していっていただきたいのは、産婦人科の女性医師というのは、産休や育児休暇をとっているお医者さんが結構いらっしゃるのです。
ぜひそういう、産休、育休をとっている女性医師の方々に協力していただいて、女性医師による検診ということが実現できるように、市単独では厳しかったら、ぜひ県のほうにも働きかけていって実現をしていただきたいというふうに思います。
子宮頸がんワクチンに関する最後の問題として、先ほど副反応の報告が今までは春日部市ではなかったということで一安心なのですけれども、先週の金曜日という段階で、文部科学省が、各公立、私立問わず、全ての子宮頸がんワクチン接種対象者のいる学校、施設に対して子宮頸がんワクチン接種後の健康調査を依頼してきております。
これについて教育委員会のほうに伺ったところ、まだ文書が届いていないということでしたので、どのような対応になるのかということは今のところはご答弁いただけないというふうに思います。
ただ、この依頼が、ワクチンを接種後、学校を休んだ人の報告だけなのです。
今までいろいろワクチンの副反応を見てみますと、重い副反応というか、健康障害の陰にたくさんの軽い健康障害が起こっていると、そういうことを検証していくことによって、因果関係とかそういうものを証明していけるという材料になりますので、ぜひ、文科省の依頼が学校を休んだという重い副反応の報告であっても、その全ての接種したお子さんの健康状況というものは把握していっていただきたいというふうに思います。
そのためには、ぜひ養護教諭の先生方に、子宮頸がんワクチン、いろんなメリット・デメリットということについてきちんと情報共有していただくような措置をとっていただきたいというふうに思っています。
これは要望で結構です。子宮頸がんの予防については、以上で終わらせていただきます。