今年制定された「いじめ防止対策推進法」ですが、これを本当に子どもたちを守るためのツールとするためには、自治体がどのような「基本計画」を策定していくのかが鍵を握っています。
今回は、吹田市で2007年からスクールソーシャルワーカーを務め、現在はスーパーヴァイザーとして、ソーシャルワーカーの指導・助言の任にあたっている西野緑さんから、スクールソーシャルワーカーの必要性や実際のケース解決のために必要な体制についてお話を伺いました。
続いて、吹田市の教育長をなさっている西川俊孝さんからは、行政の立場から考える制度の実践について伺ったのち、千里金襴大学の吉永省三先生から、「子どもオンブズパーソン」制度について,実際に条例を制定して制度化している川西市の例の紹介を中心にお話がありました。
@まず「いじめ防止対策基本計画」を策定すること
A実効性を高めるための組織をつくること
B重大事案が起こった際には、きちんと委員会を設置できるようにしていくこと
この組織の中に、「内部組織」に対するものとしての「外部組織」、オンブズパーソンが不可欠とのお話は納得できました。
それは、
・「第三者機関」でイメージされる、「当事者の双方に対して中立」という組織ではないこと。
・子どもに寄り添うことができる「独立性」をもっていること
・子どもの固有性に対する「専門性」をもつこと
などの点からとのことです。
とくに「子どもに寄り添うことができる」、という点では、いじめられる側ばかりでなく、「いじめる側」の子どもの心に寄り添っていかないと、問題解決にはつながらないと、ずっと思っていたので、なるほど、と思いました、
さらに、「大人のDV被害では、引き離すことが基本になるが、子どものいじめは子どもたちの中に関係性を作り直していくことが大事」というお話も納得できました。
この問題についても、さらにもっともっと掘り下げていかなければ、と思いました。