写真は、7月4日、厚生労働省の「ワクチン専門部会」の検討会に先立ち、子宮頸がんワクチン被害者とそのご家族、そしてこの問題に取り組んでいる自治体議員等が、厚生労働省前でリレートークを行ったときのものです。
この後、移動して航空会館で開催された専門部会の「検討会」の傍聴に参加しました。
この検討会に参加したのは初めてです。「これがワクチンの安全性を検討する会議なのか」と驚きました。
後でいつも傍聴している知り合いに聞くと、前回の専門部会では、「痛み」中心の研究班だけでなく、「神経」班の中心メンバーである信州大学の池田修一教授も加わっていて、多様な副反応の症状は痛みのみではなく、決して「心身の反応」などで片付けられない神経病変が見られ、これはワクチンの成分そのものに問題があるのではないか、との見解が示されていたとのことでした。
ところが、今回は「神経班」のメンバーは加わっておらず、「痛み」班のみで、参考人として意見陳述した「痛み」や「精神科」のお三方も、ワクチンそのものと種々の重篤な症状との因果関係の分析をさほど行っている気配はなく、一般的な心理面や身体面の治療の結果の報告のみという印象でした。
痛み治療班の愛知医大・牛田亨宏教授が、厚労省が指定した11医療機関での受診結果のとりまとめとして、受診した患者162人のうち、50人は痛みの原因が関節炎などで、ワクチンとは無関係、ワクチン接種との関係が否定できないとされ、治療の経過が判明した70人のうち、47人は心理面や身体面の治療を行うことで痛みが改善、痛みが悪化したのは1人で、変化がなかったのは22人と報告していました。
しかし、具体的に治療経過をあげた1少女の例で、心理的介入と身体的介入の経過を示した後、家庭内の事情が解決したころから父親の協力を得てリハビリ積極的に取り組むようになり、現在は杖なしで独歩できるようになったとあり、傍聴から声にならない反発がもれたような気がしました。
確かにそういう実例はあったことでしょう。しかし、このような(多分)特殊例を改善例として示すのはなぜなのでしょう。
中に、「昔は心因性とされた病気が、研究が進んだ結果、脳にミクロ単位の変化が起きていることが分かった例もあり、分類しづらいという」とした報告もありました。
しかし全体として、今年の1月に、副作用被害を引き起こす要因について、人体的な障害が起きている症状は見当たらないとして「心身の反応」と結論付けたことが大きな批判を受けたことから、今回は「機能性身体症状」と言い換えるとの提案があり、その点に終始した検討会であったような印象です。
このワクチンが承認され、定期接種とした段階で、「新しいタイプのワクチンであることから、接種後慎重な検討が必要」とされていたのではなかったのでしょうか。検討とは、ワクチンの成分が体内でどのような作用を引き起こすのかということが重要なポイントなのではないでしょうか。
さすがにこの段階で「定期接種の勧奨」を再開するという結論は出せずに終わりましたが、副作用被害に苦しむ少女たちの悲鳴を、どう受け止めているのでしょう。
思春期独特の心身の反応といいますが、ピアニストやバイオリニストをめざしたり、医学部の受験を志した少女たち、そしてこういった明確な目標がなくても、これからの前途にさまざまな夢を持っていた少女たちの誰が、激しい痛みや不随意運動、視野狭窄、さらに記憶障害などの重篤な症状によって、夢がかなわなくなりそうな状況をなんとか改善したい、改善してほしいと願っているのは明らかなのです。この現実をこそ受け止め、解決できる方法を探るのが、このワクチンを承認した厚生労働省の責任なのではないでしょうか。
1日置いて参加した「ワクチントーク全国集会2014」で、長いことワクチン問題に取り組んできた医療関係者や被害者の方、そして海外の文献などから子宮頸がんワクチンの成分の問題に取り組んでいる佐藤荘太郎医師などの発言が、本当に多くの人の実感に即していると思いました。
海外の研究について紹介しながら、「文献を翻訳してくれる人がいれば−」と語る佐藤医師です。
なぜ、こんなに大きな問題を抱えたワクチンの接種を中止し、原因究明と治療法の確保に努めることができないのでしょう。
未だに「毎年2700人が命を奪われる子宮頸がん」との表現が踊っていますが、その2700人のうち、このワクチンがもしかしたら予防できるかも知れない20大前半の死者は、ここ数年ほとんどいないこと、子宮頸がんの予防のためにはワクチンを接種してもしなくても定期的な検診が不可欠であることを考えると、ワクチンに使われる300億円以上の財源を、もっと検診を受けやすくするための女性医師による検診体制の充実に充てるのが筋だと思うのですが−。
ため息が出るのは、この専門委員会委員15人のうち、座長も含め11人がいずれもワクチンメーカー2社から講演料や研究費を受け取っているという事実です。「李下に冠を正さず」。まず、委員の入れ替えを行い、さまざまな見解を持つ委員による議論がおこなわなければ、苦しんでいる少女たちの救済は遠い道のりのように思われます。



