講演や報告してくださった方々や,薬害オンブズパーソン会議の中心的役割を担っている方々です。
第1部の基調講演は「患者不在の医薬品監視」というテーマで、国際医薬品情報誌協会を立ち上げ、患者や市民の立場から発言する国際的なオピニオンリーダーとして知られているアンドルー・ヘルクスハイマー氏の講演がありました。
氏は、医薬品安全監視が基本的に目ざすものとして、
・医薬品の利益が、これによる害を上回ることを確かめること
・利益対害の評価は集団に関する検証だけでなく、個別患者レベルでもチェックすること
・その薬をなぜ使う価値があるのか、想定しう害は何かについて患者に説明できること
の3点を上げました。
これだけを見ると至極もっともですが、これらが確実に行われていないからこそ、次々と薬害問題が繰り返されていることも事実です。
その理由としては、薬を使ったとき、利益はすぐに現れるのに対して害はずっとあとになって注目されることとともに、学界も薬業界も薬によってもたらされる利益の追求については膨大なエネルギーをむけるが、害に対して研究する研究者は少ないことなどがあげられるとの問題的がありました。
医療にかかわる全ての人が、薬害の可能性についてもっと敏感でなければないこととともに、氏が繰り返し指摘したのは、薬の効果と害について常に考えること、その際分かっていることだけではなく、分かっていないことは何かも念頭におくことということでした。
そして有害反応報告があった際、患者にとってそれがどれほど重要なことかを尊重するとともに、時間的経過を追ってフォローアップすることと述べました。
今回の子宮頸がんワクチン問題に照らして考えると、随所に納得できるポイントのあった問題提起でした。
続いて第2部は、日本線維筋痛症学会理事長の西岡久寿樹氏の「HPVワクチン禍から見えてくるものー医師教育の質と倫理感の低下ー」というテーマの講演でした。
そもそも西岡医師が「子宮頸がんワクチン」問題にかかわるきっかけとなったのは、全国に200万人はいるとされる筋線維痛症の患者のうち20代はわずか0.8%程度とされているのに、昨年末からや若年層の患者が増えてきたことからだったとのことです。調べてみると、いずれの患者も「子宮頸がんワクチン」接種後に発症していることが分かりました。
さらに、患者のほとんどは痛みだけでなく、慢性疲労性症候群や自律神経障害、高次機能障害など、時間の経過とともに種々の重篤な症状に苦しんでいるのに、厚生労働省が「接種から1カ月以上たって発症する症例や3カ月以上慢性的に経過する症例はワクチンの成分が原因とは考えられない」として「心身の反応」と結論付けたことは大問題と考えたとのことです。
そこで、筋線維痛症学会と難病治療研究振興財団が協力して,リウマチ膠原病・小児科・神経内科・精神科などの研究者を集めて病態研究チームを立ち上げました。
その結果、「子宮頸がんワクチンによって引き起こされた多様な症状の時間的経過の推移は,今まで経験したことのない未知の病気である」との確信から、これらの多様な病態を「子宮頸がんワクチン関連神経免疫異常症候群(HANS)」とすることを提唱しました。
その説明のスライドです。
西岡医師の説明をこのようにきちんと聞いたのは初めてのことです。
ごくごく当たり前に、目の前で苦しむ患者さんの病状から学ぶことを追求した結果でてきた結論は、厚労省の「心身の反応」からは感じられない説得力があります。
今後、病態研究チームによって、有意な治療法が見いだされることが期待できるように思われました。
第3部はパネルディスカッションでしたが、それに先だって薬害オンブズパーソンから、厚労省のワクチンの定期接種について審議する審議会委員15人中11人が、ワクチンメーカー2社から講演料などの名目で謝礼を得ていることや、ワクチン接種を推進しようとしている「子宮頸がん制圧をめざす専門家会議」が平成13年度だけでワクチンメーカー2社から、あわせて3500万円もの寄附金を受け取っていることなどが報告されました。
また、被害者の聞き取り調査の報告などもあり、会場からの質疑も交えてのディスカッションとなりました。
今日の参加者は約200名とのこと。子宮頸がんワクチンの問題に対する関心の高さがうかがえました。



