パネラーは、長寿社会のまちづくりといったらここ、とされる「柏プロジェクト」のキーマン、東京大学高齢社会総合研究機構の木村清一さんと、松戸市で在宅医療に長年取り組まれ、今年の6月まで松戸医師会の在宅ケア委員会の委員長として牽引役を務めていらっしゃた島村善行さんのお二方です。
柏プロジェクトについては、以前、東部地域地方政治改革ネットで木村さんをお招きし、柏市と、UR、そして東京大学高齢社会総合研究機構の三者がタグを組んで、2009年から進めている事業の詳細について、お話を伺いました。
そのときの報告が、以下のページにあります。
http://ikuko-k.seesaa.net/article/203125019.html
ますます意気軒昂、熱弁をふるう木村さんです。
柏プロジェクトの特徴は、豊四季台団地をモデル地域として、「高齢社会総合研究会」を立ち上げ、
・在宅医療委員会
・人と人委員会
・住まい・移動委員会
の3つの分野の委員会の元にさらにワーキンググループ(作業部会)を設け、市役所の関連するあらゆる分野と住民が一緒になって、具体的な施策を進めていることです。
そして取組はさらに進化していました。在宅医療については、さらに推進するための新しい連携ネットワークを構築しつつあります。
この取組のために拠点事務局を置き、市の正規職人+臨時職員6人が種々のコーディネイトを行っているとのこと。ここでも、柏市が大切にしている「循環し」、「交流すること」で生まれるネットワークを大切にし、それが生まれるためには仕掛けが大切、というポリシーが見えます。また、市民が加わった中でネットワークが実現することが大事で、そのためには何よりもプロセスを重視したい、という木村さんの思いがここでも健在です。
こうして「高齢化社会から長寿社会へ」とめざす柏市の取組は、5年余りの中で年少人口の増加という予期しない反響も現れているようです。
松戸医師会の島村さんは、松戸市で進めている高齢者の在宅医療と医療介護の連携の状況と今後の進め方について、たくさんの資料を駆使して説明してくださいました。
しかし圧倒されたのは、在宅医療に取り組む中で、どうしても全心身の診療を行わないと在宅医療は行えないと実感して自らの診療所を「トータル・ケア・クリニック」と衣替えしたこと、さらに高齢者が安心して幸せに暮らせる街づくりのために、介護施設や介護サービス事業所、高齢者住宅までをグループとして整備した、ということでした。
昨年伺った、尾道市の公立御調病院と似たような取組が行われているのです。
今までガン患者の看取りを2300例以上は行ってきたという島村さんだからこそ、真に安心して老後を住み慣れた地域で過ごすために求められているものが見えているようです。
島村さんの写真は上手く撮れなかったので、パネルの一枚を紹介します。
・連携がとれていないと,お互いの力が発揮できないーだから分かりやすい連絡網を繋げるコーディネイトを。
・自助、公助の間に「近助」ー元気な高齢者がそうでない高齢者の面倒をみる。
そんな地域づくりを通して、戦後実現してきた長寿社会を、住んでいる人も、産業も、行政も、三方よしのまちにしていかなければ、という思いで、これからも松戸市の在宅医療の充実に取り組んでいかれることでしょう。



