2015年04月16日

福島第一原発事故ーこれだけの大きな事故の責任を誰一人とらないのはなぜ

 13日は、福島原発告訴団の緊急行動に参加しました。東京検察審査会への「激励行動」と東京地検への「抗議行動」です。
 福島原発告訴団の「2012年告訴」では東京電力の旧経営陣、の4人に対して、業務上過失致死傷罪で告訴したのに対して、検察庁は不起訴としました。
 告訴団の検察審査会への審査申し立てに対し、東京第五検察審査会は2014年7月、勝俣恒久元会長、武藤栄元副社長、武黒一郎元副社長の3名については「起訴相当」、小森明生元常務は「不起訴不当」と判断しました。
 仕切り直しとなった東京地方検察庁では再捜査したものの、1月22日、改めて不起訴処分をおこなったことから、現在、東京第五検察審査会が再審査を行っています。4月中にも審査結果が出る可能性もあることから、東京検察審査会への「激励行動」を行いました。

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 冷たい雨の中、福島から駆け付けた方々は、「東京検察審査会の『起訴相当』の決定は、私たちにとって一筋の希望です」と検察審査会への激励を口にしていました。
 あの苛酷な原発事故、今なお15万人を超す人たちが故郷からの避難生活を余儀なくされ、さらに多くの人々が生業を失ったり家族離散などの被害にあっているのに、この事故の責任がどこにあるのか、全く明らかにされていないばかりか、不問に付そうされていることには、決して福島の方々だけの問題ではありません。
 事故がなかったかのように、再稼働に前のめりになる現状が赦されている理由の1つでもあると思います。自民党の細田幹事長代理が「福島の不幸ぐらいで原発はやめられない」という発言は象徴的です。
 今後、再び苛酷事故が起こったら、日本は、もしくは地球規模でどのような惨状が生まれるのか、想像力の働かない人たちに、再稼働の決定権を与えるわけにはいかないと思います。
 そのためにも、事故が起こったときの責任を、裁判という俎上にのせて、すべてを詳らかにすることこそ、今、求められているはずです。
 さらに告訴団は、第一次訴訟の中で新たに見つかった証拠をもとに、、あの事故は決して想定外≠フ津波災害のせいではなかったとして、1月13日に旧原子力安全・保安院や東京電力の津波対策担当者らを告訴・告発しました。
 しかし検察庁はまたまた強制捜査も行わないまま、4月3日に9人全員を不起訴処分にしました。今回はこの処分に強く抗議し、不起訴処分の不当性を明らかにするため、東京地検への「抗議行動」も行いました。
 「あきれ果ててもあきらめない!」が合い言葉です。
 
 原発事故に対しては、さまざまな行動要請があり、どれもが大事だという思いはありながら、目下はこの告訴団の動きとともに、日本が法治国家であると胸を張って言える日を取り戻すために微力を尽くしたいと思っています。
 
 雨の中でアピールする団長の武藤類子さん、副団長の佐藤和良さん。
 「福島では、今桜の真っ盛りです。しかしその花の下には多くの人の悲しみと、命を落とした方々の嘆きが埋まっています」
 という意味の発言に胸を突かれました。
 富岡から避難されてきた方々との、「いつか夜の森の桜を一緒に」という約束はいつ果たせるのでしょうか。
posted by ふくろう at 17:41| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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