参加団体は39にものぼりましたが、今年は抽選で参加団体を絞り込むのではなく、会議室などは何団体かで分け合って、という形で、会場の設定そのものも、市民団体同士の交流の場になるように、という企画で進められました。
さて、2日間、市民活動を広く一般の方々にも知っていただくために、各団体とも知恵を絞って活動内容の紹介等を展示したり実演したりしていました。
残念ながら、団体の知り合いの方以外の一般の参加者はどのくらいいらしたのだろうか、という印象でしたが、活動する団体同士の交流はそれなりにはかられていたように思います。
私は、はじめて独自に「高齢者虐待を未然に防ぐRJ実践研究会」のブースをもたせていただきました。展示でRJ(Restorateve Justice)ー修復的司法・修復的正義などと訳されている対話の方法です。
この対話が初めて取り組まれたカナダでは、少年犯罪について、司法で裁くのではなく対話によって解決する取組からスタートしましたが、その後世界各地で、紛争解決の方法として取り入れられたりしています。
日本では、学校でのいじめ問題の解決や、犯罪被害者・加害者、両者の救済の方法としても取り組まれていますが、その対話によって高齢者の虐待問題の解決につなげていきたいと、県立大学の梅崎先生が取り組まれています。
もちろん、問題解決の対話については、慎重に進めていかなければなりませんが、この対話を、家庭の中での諍いや地域社会の中の種々のトラブルなどの課題について実践することによって、人間関係の築き直しのきっかけになることが実践の結果分かってきています。
それを地域の中で一緒に取り組んでいきたいと、現在、対話のサークルキーパーを養成するための講座を、越谷市と春日部市で行っています。
まだまだ認知度の低い、この活動を少しでも知ってもらえれば、と参加しました。
実際に、共感して参加してくださる方がどのくらいいらっしゃるのかは分かりませんが、同じような思いで地域活動に取り組んでいる皆さんと情報交換できたことはとてもうれしいことでした。
さて、昨日の午後は、「若者が世界を変える」というタイトルで、学校を飛び出してさまざまな活動を体験している共栄大学の学生さんの取組について、学生さんと国際経営学部の会計ファイナンスコース長、木村正彦先生の発表がありました。
そのお話の中で驚いたのは「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」が、実は「学生政策提案フォーラムinさいたま」に共栄大学の学生が提案し、採用された、ということでした。
世界の三大スポーツイベントとされるツール・ド・フランスを、日本で、しかもいかに政令市といえども一地方都市で開催? できっこないと思われそうなこの提案を、いかにしてさいたま市は採用し、成功にこぎつけたのか−。
疑問に思って質疑・応答の時間にお訪ねしたところ、
「行政・議会・市民、みんなの意識の問題でしょう」
との耳の痛いお言葉がかえってきました。「できっこない」とあきらめずに、どうやったら実現できるのか、という意識で取り組んでいく、そういう覚悟とバックアップ態勢があってこそ、若者の感性を生かしていけるのだと納得しました。
ひるがえって、春日部市の「学生による政策提言」はどうでしょう。
これは行政や議会だけでなく、市民力の問題でもあるのだと、思っています。